サザビーズにマリー・アントワネットのジュエリー登場、お値段は

サザビーズ ジュネーブ(SOTHEBY’S GENEVE)で11月14日に開かれるオークションに、ブルボン=パルマ王家のロイヤルジュエリーコレクション100点以上が出品される。中でも注目は、ルイ16世(Louis XVI)の王妃であったマリー・アントワネット(Marie Antoinette)が所有していた宝飾コレクションで、200年以上保管されていたものが今回のオークションで一般に初公開となる。

落札予想価格で最も高額のものは、天然パールとダイヤモンドのペンダントで約1億1000万~2億2000万円。天然パールのネックレスは約2200万~3300万円、ダイヤモンドのジュエリーセット(ネックレス、イヤリング、ブローチ。95石のうちアントワネット由来のものは5石)は約3300万~5500万円で落札が予想されている。パールの予想価格が高いのは、天然パールがとても希少だからで、一般的に“パール”と言われるものは養殖されたものだという。最近では環境汚染により、天然パールの方がダイヤモンドより希少になっており、このような理由からも、サザビーズが取り扱うのは基本的に天然パールだけだ。

アントワネットと宝飾品といえば、1785年に起きた“首飾り事件”が有名だ。フランス革命の真っただ中の91年に、フランスから脱出しようとルイ16世とアントワネットと子どもらは準備を始めた。アントワネットの侍女だったカンパン夫人の手記によると、王妃は一晩かけてダイヤモンドやルビー、パールなど所有していた数々の宝飾品を綿で包み木製のチェストに収めたという。そのチェストは王妃が信頼する元フランス大使のメルシー伯爵(Comte de Mercy)に託されてウイーンに運ばれ、王妃の甥であるオーストリア皇帝に預けられた。亡命は失敗に終わり、93年にルイ16世とアントワネットは処刑され、息子のルイ17世(Louis XVII)は捕虜のまま死亡。ウイーンに追放されて唯一生き残った娘のマリー・テレーズ(Marie Therese of France)が、いとこのオーストリア皇帝から母親マリーの宝飾品が詰まったチェストを受け取った。後に、宝石コレクションの一部はマリー・テレーズの姪のパルマ公爵夫人(Duchesse de Parma)が譲り受け、その息子のロベルト1世(Roberto I)へ伝えられた。このオークションではその一部が出品される。

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