スニーカーの行列が変わる ビームスがアプリ導入、“並ばせない”を模索

ナイキとビームスは5月25日に発売し完売した、ビームススペシャルモデル“リアクト プレスト ダルマ(REACT PRESTO DHARMA)”(1万3000円)を、6月4日に再販する。初回は、ビームス各店とナイキのスニーカー販売アプリ「SNKRS(スニーカーズ)」で取り扱い、ビームスは小売店として初めてナイキの「スニーカーズパス」を導入した。これは、アプリを通して店舗に商品をあらかじめ確保しておくという販売方法の一つだ。“行列がつきもの”のスニーカーで、あえて行列を作らない手法を取り入れ好評だった。再販では「SNKRS」は使用せず、ビームスの店舗とオンラインショップでの通常販売となる。

「ナイキ」のビームススペシャルモデル発売は、ビームスの創立40周年の際に発売したクレイジーパターンの“エア プレスト”以来。デザイン面を担当した新井伸吾バイヤーは「今回の“リアクト プレスト ダルマ”は40周年のクレイジーカラーを踏襲した新しいカラー提案としてナイキと共同開発した。このカラーリングがビームスらしいね、となればうれしい。洋服屋の提案としてTシャツとショーツも作った」と話す。

一方、今回新たに取り入れた「スニーカーズパス」は、アプリ「SNKRS」を通して受け取り希望のビームス店舗を選び、自分のサイズを店舗で予約するというもの。店舗から半径数キロ圏内にいれば参加可能で、先着順ではあるものの抽選は行わず、その場で購入権を確保できる。つまり、人気のある商品でも並ばずに客個人のタイミングで商品を受け取れるのがこれまでとの違いだ。無事に予約できるとQRコードが表示され、期日内に店舗で身分証明書とQRコードを提示し代金を支払い、商品を受け取る。その場で試着し、合わなければ買わない選択もできる(ただし、サイズの変更は不可)。

販売方法を担当したビームスの柴崎智典バイヤーは「転売目的で行列に人を雇って並ばせるなど、近年の行列はお客さまが公平に買える環境ではなくなっていた。ナイキから今後は行列よりもアプリなどを活用し、スマートに売って行く方針だということを聞き、ビームスとしてもお客さまにとってストレスがない販売方法は一番に取り入れていきたいと、考えに賛同した」。また新井バイヤーも「昔は行列に並ぶのもスニーカーを買うストーリーの一つだったが、ビームスとしても最近はウェブ抽選を取り入れるなど並ばせない方針にあった。お客さまのストレスもあるが、どれぐらい並ぶかの予想も立てづらく、販売店のストレスも大きい。SNSなどで『ビームスで並んだけど買えなかった』などの書き込みがあったり、転売行為の横行で公平な対応が難しくなってきていた。販売方法もお客さまの目線に立ち、欲しいと言ってくれる人の手に極力届くサービスを模索している」と説明した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です