アントワネットと宝飾品といえば、1785年に起きた“首飾り事件”が有名だ。フランス革命の真っただ中の91年に、フランスから脱出しようとルイ16世とアントワネットと子どもらは準備を始めた。アントワネットの侍女だったカンパン夫人の手記によると、王妃は一晩かけてダイヤモンドやルビー、パールなど所有していた数々の宝飾品を綿で包み木製のチェストに収めたという。そのチェストは王妃が信頼する元フランス大使のメルシー伯爵(Comte de Mercy)に託されてウイーンに運ばれ、王妃の甥であるオーストリア皇帝に預けられた。亡命は失敗に終わり、93年にルイ16世とアントワネットは処刑され、息子のルイ17世(Louis XVII)は捕虜のまま死亡。ウイーンに追放されて唯一生き残った娘のマリー・テレーズ(Marie Therese of France)が、いとこのオーストリア皇帝から母親マリーの宝飾品が詰まったチェストを受け取った。後に、宝石コレクションの一部はマリー・テレーズの姪のパルマ公爵夫人(Duchesse de Parma)が譲り受け、その息子のロベルト1世(Roberto I)へ伝えられた。このオークションではその一部が出品される。
2019-20年秋冬シーズンにデビューする「ケンズアイビー(KENS IVY)」が、東京・外苑前のファーナショールームで展示会を行った。同ブランドに関わるのは主に3人。ヴァンヂャケットの創業者で日本にアイビーファッションを根付かせた石津謙介の孫である石津塁がクリエイティブ・ディレクターとなり、シンゴスター(SHIGOSTAR)こと藤井進午が社長のデザイン会社オッドジョブがグラフィック全般を、「エー・フォー・ラブス(A.FOUR LABS)」や「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」でデザイナーを務める倉石一樹がプロダクトデザインを手掛ける。
藤井は、「僕らは『ヴァン』を着て育った最後の世代。中高の制服はブレザーで、パンツは自由だったので『ヴァン』のチノパンをはいていた。シャツも学校指定のものではなく、こっそり『「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」』のボタンダウンシャツを着ていた。実は塁(石津)と一樹(倉石)とは成城学園の同窓生で、『いつか“日本のトラッドの総本家”と何かできたら』と話していた」と振り返る。
眼鏡店チェーンのオンデーズ(OWNDAYS)は、さきごろ、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社Lキャタルトン・アジア(L CATTERTON ASIA)および三井物産の投資事業子会社である三井物産企業投資と、上限総額30億円の増資などの契約を結び、今後5年で500店舗にすると宣言して注目を集めている。特にグローバル化は積極的で、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムなどに加え7月に香港にも進出し、アジア市場の拡大はライバル視されている「ジンズ(JINS)」と「ゾフ(ZOFF)」より先行しており、この増資によりアジア市場の出店攻勢にも拍車が掛かりそうだ。中でも香港は7月からすでに4店舗をオープンし勢いを増す。今後の香港市場拡大を担うオンデーズ香港のトップである濱地美紗・総経理に話を聞いた。
「エルメス(HERMES)」は3月、英ロンドンで大規模なメンズイベント「STEP INTO THE FRAME」を開催し、世界から約1200人が訪れました。会場は旧郵便施設で、かつては郵便物の仕分けなどが行われていたそうです。飛び出すポップアップ式のカワイイ招待状を見ていい予感はしていましたが、オランダ人漫画家のヨースト・スワルテ(Joost Swarte)の世界観で構成された会場は、まさに漫画の世界に足を踏み入れるようなワクワク感。同ブランドが2019年の年間テーマとして掲げる“夢を追いかけて”を表現し、会場の外からすでに楽しすぎます!
2018-19年秋冬シーズンのパリ・ファッション・ウイークにおける個人的ベストコレクションの1つだった「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」。ボールペンやインクを用いてフリーハンドで描いたという羽根のモチーフと色合いに一目惚れして購入しました。目立つ柄ではありますが意外と何にでも合わせやすい上にこれ1枚で華やかになるので愛用しています。(WWDジャパン編集部Y.H)
エストネーションに足を運んだ時、ふと目に入った真っ白なボトル。この世界観に引かれて調べてみたら、日本のコスメメーカーとお香を取り扱う日本香堂とのコラボと判明。カンゾウやウコンといった日本の素材を使っているからか、香りは何か自分のDNAを揺さぶられました。この「トバリ(TOBALI)」、実はパリの「コレット(COLETTE)」やミラノの「ディエチコルソコモ(10 CORSO COMO)」などから販売がスタートしたとか。逆輸入というのも面白いし、香水文化が発達している海外で認められているこの香りをまとうとなんだか気持ちも誇らしくなります。(WWDビューティ編集部T.O)